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研磨の仕方 カボションの場合
1.トリミング(荒削り)
ダイアモンドカッター(リューターでも可)でほとんど仕上がりに近い形にします。これで経済的かつ作業時間が短くなります。ない場合は砥石などでも硬くない石であれば可能です。
2.形作り
#300〜600で形を完全に仕上げます。最終的に#600でおこない、ルーペで確認して全体の研磨痕がまんべんなく#600の目(キズ)になるようにします。この時に少しでも#600より前の目(キズ)があると、仕上げた時に肉眼的なキズとして残ります。
3.つや出しの下準備
#1200〜3000でおこない、ルーペで確認して全体の研磨痕がまんべんなく#3000の目(キズ)になるようにします。この時に少しでも#3000より前の目(キズ)があると、仕上げた時に肉眼的な曇りとして残ります。
4.つや出し
#15000以上ののダイアモンドパウダーをレザー(目の細かいバックスキン)につけて磨きます。全面どこから見てもツヤが出ていれば完成です。私は#100.000を使用しています。
5.仕上がりの確認
先ず白熱電球の下で石をまんべんなく回して、白熱灯に書いてある100W等の文字が曇りなくどこでもはっきり写ればOK。次に細長い蛍光管を石の表面に写し端から端へと動かしていきます。この時に写っている蛍光灯が歪まずに動けばOKです。
研磨の仕方 ファセットの場合
1.トリミング(荒削り)
ダイアモンドカッターでできるだけ仕上がりに近い形にします。これで経済的かつ作業時間が短くなります。ファセッターでカットすることをお勧めします。
2.形作り
#260で全体を整えてから、#600のダイアディスクでファセットの大きな面を中心に仕上げます。ルーペで確認して全体の研磨痕がまんべんなく#600の目(キズ)になるようにします。#260はキズが深くこの段階では一回り大きく仕上げます。
3.つや出しの下準備
#1200(もしくはNuBond#1200)のダイアディスクで研磨します。細かいファセット面も入れて面を完全に仕上げます。ルーペで確認して全体の研磨痕がまんべんなく#1200(キズ)になればOKです。
4.つや出し
#50,000以上のダイアモンドパウダーをティンラップ(その他色々あり)に付けて磨きます。全面どこから見てもツヤが出ていれば完成です。ただしあまり追求しすぎると、逆にキズが入るので注意が必要です。完全にキズを無くすには高度な技術が必要です。私は#100,000を使用しています。
5.仕上がりの確認
研磨面に光を反射させて、反射を左右に少しずらします、その時にルーペで見て大きな研磨痕(キズ)が残っていなければOKです。
仕上げの研磨剤について
最後の仕上げに使う研磨剤はダイアモンド、セリウムオキサイド、アルミナ等ありますが、先ずはダイアモンドがお勧めです。全ての石に使えるので他にそろえる必要がありません。
研磨の重要ポイント
1.作業短縮&経費削減
トリミング(荒削り)の工程で、より完成に近い形にします。いい加減なトリミングをしてしまうと、次の工程でも引きつづきトリミングする必要があります。その場合、研磨剤の目が細かくなるため、より多くの時間がかかってしまいます。そして時間がかかるということは研磨剤の消費が多くなり経済的ではありません。
2.きれいにつやを出す方法
研磨痕をルーペ等で拡大してよく確認することがとても大事です。次の工程へ移った時に、前の工程のキズを全て消さないと、さらにその次の工程では基本的に消すことは出来ません。そして研磨痕が残っていると仕上がった時に〜#600程度だと肉眼的なキズになり、〜#3000だと肉眼的な曇りとなります。
3.方向決め
実はカット石を作る上で一番難しいのはこの方向決めです。これは熟練していても、とても気を使います。時に数時間かかることもあります。天然の原石の場合、それぞれ形が違います。またクラックやインクルージョンも当然あります。これを立体的に見てどの方向でカットすればより大きな石が美しく取れるか見極めなければいけません。また、多色性や透過方向がある場合はその方向も考慮します。劈開がある場合も方向は重要です。こうやって原石からどのような石を仕上げるか見極めます。そして一度削り始めてしまうと、もう変えることは出来ません(石のサイズを小さくすれば可能です)。
4.ドップ付け
ファセットの場合
研磨する上で方向決めと同じく重要で難しいのがドップ作業です。せっかく原石の方向を上手く考えても、ドップ付けでずれてしまっては意味がありません。石が小さくなればなるほど致命的で、場合によっては石がほとんど無くなってしまいます。
カボションの場合
石を研磨する時には必ず、ドップ(細長い棒)に固定して作業することをお勧めします。面倒でやらない人がいますが、ドップに固定した方が正確な作業ができます。
5.研磨する時のあて方について
間違えられているのは、研磨の時に強くあてると早く磨けたり、消えにくいキズが消えると思われていることです。強くあてて研磨すると全体が平均的に磨けず、磨けているところと磨けていない所がでて凸凹になってしまいます。こうなると後で結局やり直さなければなりません。あて方は当たるか当たらないか位の感じで十分です。その方が時間がかかるように思えても確実に仕上がります。
6.仕上げの研磨材の付け方について
研磨材は出来るだけ少量を使うのが基本です。付けすぎると摩擦が減って滑るため逆に磨けなくなります。
その他
ファセット石の輝きについて
ある石は輝きがあり、ある石は輝きがないということをよく耳にします。しかしこれは間違いで、どんな石でも透明であればきれいに輝きます。透明度が高ければ高いほど美しく輝きます。ただし、輝きの多さは石によって違い、屈折率により、数値が高いほどキラキラが多くなります。クラウン側(上)から入った光がパビリオン側(下)で反射してまたクラウン側に戻ってくるための角度が、石によって違うため、屈折率をもとに研磨する角度を変える必要があります。(データがあるので毎回計算する必要はありません)つまり輝きのきれいな石はこの角度を正確にカットしてあり、輝きのない(中抜け)の石は角度があっていないということです。角度を1個1個、正確に合わせて研磨するという作業はとても手間のかかることで、安価な石の場合は必ず無視されてしまいます。(カット石をご購入する際は、必ずルーペで石をご覧いただくことを強くお勧めします)
注意) ここで紹介しているのはあくまで基本です。石によっては必ずしもこの通りではありません。
おまけ
カット石の呼び方
カット石のシェイプ(形)
ラウンド 円形
オーバル 楕円形
スクエアー 正方形
レクタングル 長方形 (より細長いのはバケットとも言う。バゲット=フランスパン)
カットコーナーレクタングル 長方形の角を落としてある(エメラルドカットとも言う)
トリリアント 三角形
クッション 四角形で角を残しつつ、円みを付けてある
マーキス 細い楕円形
ペア なし型(涙型/ドロップとも言う)
ハート ハート形
フリーシェイプ 不定形
その他ペンタゴン(5角)、ヘキサゴン(6角)〜などがある。
ファセットカットのスタイル(方法)
ブリリアントカット
研磨角度を変えた時に方向を変えて、三角や菱形の面を作る方法。
ステップカット
方向を変えずに研磨角度だけを変えて、四角い面を作る方法
コンケーブカット
特殊な研磨機を使用し、溝を作る方法。。
ミックスカット
ブリリアントとステップなどを混在させてある。
カット方法の表現
シェイプの後にスタイルを付ける。
例 ラウンドブリリアントカット
カット技術に関するお勧め情報
待望のファセット研磨の日本語テキストが発売されました!
 \4,800
http://www.faceters.com
Jeff Grahamさんによるファセットカットに関するサイトで、主にこれから始めたい人や初心者のための情報が親切丁寧に書かれており、日本では得られない情報が満載。中でも「Just
Ask Jeff」というコーナーはためになります。
残念ながら(2009年6月)亡くなられたとのことです。インターネットを使用して宝石研磨の普及にとても貢献されていたので、とても残念です。ご冥福をお祈りします。

Jeffさんが出している、初心者向けの入門者で名前もズバリ"Learn How to Facet the right way..."。日本では分からない、ファセットカットの方法やちょっとしたテクニック、小物などが写真と細かい図入りで紹介されています。

ファセットに関する歴史から、論理、道具などの事が詳細に書かれている、プロを目指すための始めの1冊。初版は1969年とかなり歴史のある本だが、過去4回改正されて最新は2002年度版。この本の凄いのはありとあらゆる石(HaliteやGypsumまである)の研磨の仕方が書かれており、とても参考になります。
他に別冊で「Diagrams for Faceting」(カット図)も3冊出ています。
注) 残念ながら増版されていないため入手は難しいようです。
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